目黒雅叙園(目黒区下目黒1、TEL 03-5434-3140)で3月3日、平安時代から続く遊び「貝合(かいあわせ)」体験が田道小学校の児童を招いて行われた。
左から本島駿くん(4年生)、伊藤沙希子さん(4年生)、越野真緒さん(5年生)
現在雅叙園で行われている「百段雛まつり~瀬戸内ひな紀行~」の一環。「貝合(かいあわせ)」の講師山元冬弓さんの指導で、田道小学校の児童80人が平安時代の貴族の遊びを体験した。
貝合は平安時代に貴族たちの間で行われた遊びで、ハマグリの貝殻を左右「地貝(じがい)」「出貝(だしがい)」に分け、それぞれを合わせ多く合わせた者を勝ちとする遊び。山元さんを親とし、クラスごとに囲みながら貝合体験が行われた。終始、貝殻が合う度に歓声を上げた。
同小5年の松芳七海さんは「とても難しかったが、貝殻が合わさりカチッと音が鳴った時はスッキリした感じ。貴族の遊びは初めてだったので繊細な遊びと感じた。この遊びは大切に次の世代にも伝えていったらいいのでは。私が体験したことを、いつか自分の子どもにも教えてあげたい」と話していた。
貝合は使う貝を「あわせ貝」と呼び、360個のハマグリを使う。ハマグリは同一の貝でなければふたと身が合わないため、「二夫(じふ)に交えず」という婦人の貞節の象徴とされた。貝殻の内側には源氏物語の絵や草花、鳥など同一の絵が描かれる。遊びに使われる調度では幅5センチから10センチ程の大きさのハマグリを使い、ひな道具では2センチから3センチのはまぐりが添えられる。
同小の尾川光男校長は「子どもたちの目が輝いていて、本物の良さなど感じたようだ。雅叙園の木や畳など家屋の良さも感じてほしい。次回は全校挙げて参加したい」とも。
山元さんは「源氏物語の時代から約1000年前から続くこの遊びは最初、今の子どもたちがついていけるか不安になっていた。みんな思った以上に楽しんでくれてうれしかった。のびのびと楽しんでくれて安心した。貝合に描かれている絵は源氏物語なので子どもたちには百人一首でも親しんでいただれば」とも。