「全日本国民的美少女コンテスト」と聞けば、芸能界に疎い人達でも、数多くの女優やモデルを輩出しているコンテストだという理解はあると思う。
そのコンテストでマルチメディア賞を受賞し、女優の上戸彩さんと同期。映画、舞台、ドラマ、歌手と芸能活動中に趣味で始めたチョークアートが、今では高値が付く新進気鋭のアーティストに。今、注目されているチョークアーティストMoecoさんだ。
6月21日から中目黒「MDP GALLERY」(目黒区青葉台1)で個展を開催すると聞き、話を伺った。
――女優からチョークアーティストには、どのようなきっかけで?
それまで、趣味程度で描いていたチョークアートでした。
2013年にGREEN ROOM HAWAIIでチョークアーティストとしてデビューするのですが、たまたま日本に来ていたGREEN ROOM HAWAIIのオーナーを友人から紹介され、合同展だけど参加してみないということから、参加したのがきっかけです。 そこで、初めて絵に値段が付いたり、知らない人たちが評価してくれたりしたことが、とても衝撃だった。
そこから意識が変わり、プロでやっていこうと思いました。
――その後、オーストラリアのチョークアートの先駆者である、モニーク・キャノンさんにのもとに?
チョークアートの作品は、既に多く描いていました。
そのことを理解してくれたうえで、モニークも色々考えてくれました。 そして、特別なカリキュラムでチョークアートのスキルアップにつなげてくれたと思います。
オーストラリアに行ったことは、絵の技術向上はもちろんのこと、モニークの人柄やにゴールドコーストの自然に触れて、人生の勉強としても有意義に感じられました。
――2017年の初めての個展までの期間はどのような活動をしていましたか?
ニューヨーク、オーストラリアで生活してみたり、合同展に参加したり、企業からの依頼などあり、ちょこちょこは描いていました。
多分、今までの作品を集めれば個展は開けたと思いますが、せっかく個展をやるならば、自分でタイトルを決めて、そのタイトルに合わせて作品を描き下ろすということをしたかった。なので、ソロの個展を開くまで少し時間がかかったというところはあります。
――2017年の初めての個展「艶画」の着想は?
ニューヨークでの生活からずっと色々考えていました。
特にニューヨークで生活をしてた時に、自分が日本人であるということとか、自分の国の素晴らしさを感じる事がたくさんあって、日本を意識する作品を描きたいなということと、自分が何を表現しようと思った時に、何にドキドキして、何にそそられるのかを色々考えていた。
その時にミカリーン・トーマスが描く黒人の女性の作品を見て、とても感激してそこからインスピレーションが湧きました。
――「艶画」というタイトルの意味とは?
日本の春画にことを艶画とも言われていて、そこからタイトルを付けました。
春画は男女の絡みが描かれていると思いますが、私が描く艶画は、女性のセクシーな部分だったりとか、毒々しい部分だったりとかを表現しています。そして、海外の作品や感激したミカリーン・トーマスの作品は、直接的なエロスが表現されていますが、私の作品は想像するエロスというものをテーマにしたかったということもあります。
さらに、女性の視点だけではなく、男性の視点も取り入れた作品にもなっていると思います。
――今回2年半ぶり個展「秘花」についてお聞かせください。
結構、振りきっていて、18禁になっちゃうかもしれません(笑)。
全ての作品のテレビの取材撮影は難しいかも…。なので、MDPギャラリーでしか見れない作品があります。
とにかく、前回「艶画」のバックグラウンドは一度とっぱらって、今私が描きたいエロスを表現しています。
約20点を描き下ろしています。
――「秘花」ではコラボレーション作品がありますが、どのような内容になっているかお聞かせください。
橋本マナミちゃんとのコラボ作品はですが、実は「全日本国民的美少女コンテスト」の同期で、20年以上の友達関係でいたこともあり、今回の「秘花」のコンセプトが決まってから、たくさんいる芸能のお友達の中でも、被写体として橋本マナミちゃんがぴったりだと思い、お願いしました。
レースなどの透け感や影を使った作品になっています。
杉田陽平さんは、「ブレイク前夜」というBSフジの番組で知り合わせていただいた現代アートの方です。アクリルの作品が面白くとても好きなので、私が描いた作品に”バシャー”とやっていただきたいというオファーから、コラボ作品にお誘いした感じです。
Amazing JIROさんは特殊メイクの技術を持っている素晴らしい方で、以前から好きだったこともあり、共通の友人からAmazing JIROさんを紹介いただき「何か一緒にできたらいいね。」という事を言っていただいて、この「秘花」のタイミングでお誘いしました。
今回は、私自身の体にレース柄のボディペイントをAmazing JIROが施してもらい、写真撮影しました。それを作品として展示したいと考えています。
Pantoviscoさんは、SNSで大人気のイラストレーターです。元々私がファンであり、友人でもあったので、、今回お願いしました。謎のクリエイターなので、どんな作品なのかは、MDPギャラリーにきてのお楽しみです。
――最後にメッセージを
何かを感じてもらいたいです。 違和感でも、感動でも、嫉妬でも、何でもいいので、感じてもらえれば嬉しいです。
インパクトはあると思いますので、素通りはされたくないですね。
6月21日にはレセプションもあるので、気軽に遊びに来てほしいです。
そして、個展に来たら、SNSで是非作品をシェアしてください。もしかしたら、SNS側で規制されてしまう作品もあるかもしれませんが。(笑)
短い時間ではあったが、ざっくばらんに話をしてくれたMoecoさん。Moecoさん自身の雰囲気も作品と同じように妖艶であるものの、言葉一つ一つに芯の強さを感じられました。
6月21日から7月6日まで中目黒MDP GALLERYにて個展「秘花」開催