目黒区がケニア共和国大使館とホストタウン事業に係る覚書に調印して5カ月がたった。
「ラフィキ トモダチ プロジェクト」第1弾 目黒区とケニアが相互交流
ケニア共和国は同区内に大使館があり、以前より地域との交流に積極的であることを踏まえ、東京オリンピック・パラリンピック競技大会への機運醸成の一つとして昨年11月、覚書の調印に至った。この事業により、区と同国は人的・文化的な交流を図り、大会後も交流継続を目指して、大使館職員らによる区内小・中学生への同国の紹介、オリンピアン・パラリンピアンとのスポーツ交流、区内イベントへの参加やケニア文化を紹介するイベントなどを開催する予定である。
その皮切りとして今年、「Rafiki(ラフィキ。スワヒリ語で「友だち」を意味する)」をテーマとした「ラフィキ トモダチ プロジェクト」がスタート。第1弾として、ケニアの子どもたちが日常使うシューズが不足している現状を踏まえ、区民の協力を得て集めたシューズを「いつかいっしょに走りましょう」というメッセージを込めてケニアの子どもたちに届けた。
2月には目黒区立緑ヶ丘小学校の4年生児童30人が大使館を訪問。日本語で制作されたビデオや通訳を通して、同国の生い立ち、サファリの雄大な自然、文化や陸上競技が大変盛んであることなどが紹介された。続いて世界一の生産量を誇る紅茶(ミルクティー)が振る舞われ、児童らは「香りが違う」「いい香りがする」などと喜んだ。同国の代表的な歌「ジャンボブワナ」を大使館職員と児童全員が手拍子をしながら楽しむ場面も見られた。
3月には緑ヶ丘小学校に同国出身のローレンス・グレさんを迎え交流学習の授業が行われた。グレさんは高校3年生(3月時点)で北海道高校駅伝や全国高校駅伝などの大会で実績を残し未来のオリンピアンとして期待されている選手。児童らは練習方法や趣味などについて質問し、グレ選手は一つ一つ丁寧に答えていた。当日は雨天だったため体育館でグレ選手と児童たちが駆けっこを行った。一緒に走った児童は「めちゃ速かった、とにかく速かった」と感想を話していた。
文化・スポーツ部文化・交流課課長の濱下さんは「2020年までの2年間で、ケニア共和国という国の持つ魅力を存分に伝えたい。おいしい紅茶のこと、バラの生産が盛んなこと、音楽のことなど。両国に友達の関係を築いて、2020年にはケニア共和国の選手を区民の皆さんと一緒に応援したい」と話す。