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3年ぶり「目黒のさんま祭」 気仙沼と目黒の絆をサンマに託して1000尾

宮城県気仙沼で水揚げされたサンマを焼く気仙沼から駆けつけた「目黒のさんま祭 気仙沼実行委員会」のメンバー。手慣れた様子で焼いていく

宮城県気仙沼で水揚げされたサンマを焼く気仙沼から駆けつけた「目黒のさんま祭 気仙沼実行委員会」のメンバー。手慣れた様子で焼いていく

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 3年ぶりとなる「目黒のさんま祭」が10月9日、田道(でんどう)広場公園(目黒区目黒1)で開催され、宮城県気仙沼市で水揚げされ直送されたサンマ1000尾を炭火で焼いて、大分産のカボスを添えて区民に振る舞われた。

「新鮮なサンマをおいしく焼くよ」と意気込む「目黒のさんま祭 気仙沼実行委員会」のメンバー

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 「目黒のさんま祭 気仙沼実行委員会」の梅津覚太郎委員長は「昨日の夜に気仙沼を出発。今日の6時に目黒に到着。早速、全員で力を合わせてサンマを焼く準備に取りかかった。気仙沼にいる関係者の尽力で良いサンマがそろった。脂ものっており、おいしいこと間違いない」と届いたサンマを披露する。

 会長の松井敏郎さんも「いつもなら5000尾だが、新型コロナ対策のこともあり、食べていただける人数は1000人なので、吟味して130グラム以上のサンマを用意した。今の気仙沼の中ではベストのサンマ。目黒の方々のためならと思う気仙沼の心意気を感じてもらえれば」と話す。松井さんは気仙沼でPOPや看板広告などを手がける仕事をしている。「古典落語の『目黒のさんま』で知られる目黒で気仙沼のサンマを披露し振る舞ったら面白い」と考え1996(平成8)年から開催。今年で25回目となる。

 気仙沼の人たちの思いに感謝するのは、目黒区民まつり実行委員会の藤森昇委員長。「このサンマを焼く姿を見ていると気仙沼の人々の思いを熱く感じることができる。目黒区の友好都市の気仙沼。サンマが気仙沼と目黒をつないでいる。大切にしなければ」と思いを語る。

 10時の配布開始に合わせて8時45分に炭を設置して火をおこし、9時25分にサンマを焼き始めた。「(サンマの)腹を目黒川方向にあわせて」のかけ声で次々に焼き始められると、会場にはサンマを焼く煙が立ちこめた。焼くのは気仙沼から駆けつけた気仙沼の人々。「おいしそうでしょう。このサンマの味と気仙沼のことを忘れないで。私たちも目黒のことは忘れない」と話す。

 9000人の応募者があり抽選でサンマ引換券を持って来場した区民からは「早く食べたい」「サンマの煙はとても久しぶり。昔、母が網で焼いてくれた」「気仙沼の人たちのことを思いながら味わいたい」などの声が聞かれた。引換券が当たった根元礼二・留美子さん夫婦(目黒区在住)は「(抽選で)当たったので今日は楽しみにして来た。おいしそうでしょう」と受け取ったサンマを手に笑顔で話す。

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