世界5店舗目、日本初上陸となるスターバックスの新業態「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」（目黒区青葉台2、TEL 03-6417-0202）が2月28日、中目黒にオープンする。

建築家・隈研吾さんが手掛けた外観デザイン

　「スターバックス リザーブ ロースタリー（以下、ロースタリー）」は2014年、「スターバックスの妥協を許さないコーヒーイノベーション」を表す店舗として米シアトルに1号店が開業。以後、上海、ミラノ、ニューヨークで開業しており、年内には米シカゴでも開業を予定している。

　場所は目黒川沿い。建物は4階建てで、延べ床面積は2966平方メートル。建築家・隈研吾さんが手掛けた外観デザインは明るい色合いの木材として杉を採用し、内観デザインを担当したスターバックス・デザインスタジオとのコラボレーションにより、「新しい日本らしさ」（隈さん）を表現したという。各フロアの天井は日本の伝統「折り紙」モチーフに設計した。ローカルの建築家と共に建物から建築したロースタリーは同店が初となる。

　同店では、日本市場向けに年間68万キロ以上のコーヒーを焙煎（ばいせん）する予定。約60キロ入る豆袋を1日当たり約30袋焙煎。最大118キロ、同16キロの焙煎が可能な2台でローストする。中でも「東京ロースト」は同店のみで焙煎する豆で、全国の「スターバックス リザーブ」販売店60店超で今28日から扱う。

　開放的な1階では、吹き抜け空間を生かして4階まで高くそびえ立つキャスク（貯蔵容器）が目を引く。高さは約17メートルで、世界のロースタリーの中で最大。槌目仕上げの銅板121枚から成るキャスクの表面には職人が手作業で仕上げた銅板の桜の花びらを施すほか、キャスクの周りでは生豆から焙煎、抽出を経て一杯のコーヒーになるまでの過程を見せる。バリスタが提供するメインバーでは、スターバックス リザーブのコーヒーを使ったメニューを提供する。シグネチャーメニューは、創業地シアトルの通り名と東京の名前を付けた「メルローズ トウキョウ」（1,100円）で、コールドブリューコーヒーとチェリーシロップ、氷をシェイクし、チェリーの実をトッピングする。「アメリカーノ コン クレマ」（800円）は、アメリカーノの上にシナモンなどスパイスを利かせたミルクフォームをのせる。1階には、ミラノに本店があるイタリアンベーカリー「Princi（プリンチ）」も日本初出店。コルネッティ（＝クロワッサン）やフォカッチャ生地のピザなどを販売する。

　2階は全ロースタリー最大の広さとなる「TEAVANA（ティーバナ）バー」。紅茶で作ったアイスキャンディーをジャスミンティーにトッピングした「ポップン ティー さくら ジャスミン」（950円）などの限定ティーメニューや日本独自の素材を使ったお茶や個性的なフレーバーを組み合わせたお茶などを用意する。

　日本初上陸となる3階のカクテルバー「ARRIVIAMO（アリビアーモ）バー」はテラスも併設し、ミクソロジーやクラフトカクテルを提供する。メニューは、シェイクしたマロンリキュール、クレーム・ド・カカオ、エスプレッソに、中目黒のチョコレートショップ「green bean to bar CHOCOLATE」ブランドのチョコレートを削ってかける「中目黒 エスプレッソ マティーニ」など、コーヒーやティーをモチーフにした限定のカクテルやワイン、ビールなどを用意。オープンから期間限定で、桜の花が浮遊するカクテル「スプリング・シャワー」（以上2,000円）を提供している（価格は全て税別）。

　4階「AMU（アム） インスピレーション ラウンジ」は「地域の集いの場」として活用するほか、将来、スターバックス初のスペシャルティコーヒー協会公認のトレーニング施設になることも計画している。併せて、1階で焙煎した豆をパッケージングする設備も備え、その工程も公開している。

　オープン前日の27日に行われたプレスカンファレンスで、スターバックス コーヒー ジャパンの水口貴文CEOは「ロースタリーは、（日本上陸から）23年間やってきたことをベースに、我々を次のステージに、これからの20年の扉を開ける大きな原動力になる。ロースターがありパッケージのラインがあり、保存する貯蔵容器がある。大きな工場が店と融合したのがロースタリー」と説明。「さらにチャレンジを続けて、新しい体験、温かい体験をお届けしたい。我々のこれからのチャレンジの象徴」と意欲を見せた。

　営業時間は7時～23時（今月28日～3月3日、9日・10日は9時～）。