中目黒のギャラリー「POETIC SCAPE(ポエティックスケープ)」(目黒区中目黒4 、TEL 03-6479-6927)で現在、写真展「渡部敏哉展『THROUGH THE FROZEN WINDOW』」が開かれている。
アートディレクターの渡部敏哉さんが1996年12月のシベリア鉄道の旅で撮影した写真を17点展示する。作品は全てモノクロで、「ゼラチンシルバープリント」という技法にこだわった。
同館代表・ディレクターの柿島貴志さんは「誰が撮った、いつどこで撮ったということではなく、すっと写真の中に入って、夢の中の旅みたいな印象を受ける作品」と話す。
撮影当時30歳の渡部さんは友人とシベリア鉄道でウラジオストックから最終目的地のロンドンまで経路を予定したが難航し、ヘルシンキにて鉄道を諦め、空路に切り替えた。
当時について渡部さんは「転勤で札幌に住んでいたころ、北海道の先にあるロシアに興味を持った。マイナス20度を下回る厳冬のシベリアの風景を、凍(い)てついた窓から眺めながら淡々とシャッターを押していた」と振り返る。
作品を見る際、「18年前の旅の写真なので、かすれていく記憶のようなイメージをセレクトした。写真を見た人が何かしら自分の記憶とリンクさせ、イメージを広げてもらえれば」と渡部さん。
4月11日には渡部さんと写真評論家のタカザワケンジさんによるトークショーが行われる。
開館時間は13時~19時(水曜は16時~22時)。月曜・火曜休館。入館無料。今月19日まで。